目次
1.資格
2.内容の重点
① NLPの解釈
② NLPの活用分野
③ NLP以外の興味
3.トレーナーの個性
NLPのセミナーと呼ばれるものには、『資格取得コース』と『それ以外のNLP関連のセミナー』との2種類があります。
『資格取得コース』は主に『プラクティショナーコース』と『マスタープラクティショナーコース』の2つがあります。
プラクティショナーが基礎、マスタープラクティショナーが上級といった位置づけです。
(※“プラクティショナー”は“実践者”の意味。マスタープラクティショナーのコースはプラクティショナー資格が受講条件になる。)
日本における資格取得コースは8日間から10日間で開催されるのが一般的なようです。
文字通り「資格」が発行されます(NLP™プラクティショナー)。
資格の発行元は、欧米の団体です。
日本で受講可能な資格発行元の系列としては、6つ前後ではないかと認識しています。
これらの資格発行元がそれぞれのコース開催要件を定めていますから、同じ系列の資格を扱うセミナーであれば、「NLPの実践者」として学ぶべき内容は同じように含まれています。
さらに資格発行元の系列が異なっていても、含まれる基礎の部分には大きな違いはありません。
テクニックの呼び名や手順に差があるだけで、紹介される内容の8割以上は共通しているのではないでしょうか?(私たちの知る限り)
NLPには世界共通の認識があるといえます。
このように、NLPの基礎となる内容についていえば、どのNLPの資格取得コースでも同等の“知識”を得られるでしょう。
資格そのものに関していえば、日本でNLPの資格名称を目にしやすいのは、個人で活動しているケースかと思います。
何かを教える仕事や執筆業、コンサルタント、コーチ、サロン運営などが代表的です。
組織においては研修講師のプロフィールでNLPの文字を見かけることもあります。
資格の有無が大きく関係するのは「NLPに関して何をしたいか」を考える場合です。
例えばマスタープラクティショナーのコースを受講するには、プラクティショナーの資格が求められます。
NLPを教えることを考えている場合にも資格が関係します。
例えば、自分の研修やセミナーなどでNLPのテクニックの一部を扱おうとするなら、資格が必要になることが多いようです。
NLPの講座を開催しようとしたら、NLP™トレーナーの資格が必要になります。
そのためにはトレーナー資格を取得するためのセミナーに参加するのが必須です。
トレーナーになるためのセミナーは資格発行元の系列ごとに開催されていて、ここにも選択肢があります。
ただし、参加条件として同系列のマスタープラクティショナー資格が求められるケースもあるので注意が必要です。
幸いなことにNLPの共同創始者たちや共同開発者たちは、高齢ながら現在もセミナーに登壇して活躍しています(2024年時点)。
NLPをやってみた後で「あの先生のトレーナーコースに参加したい!」と思ったとき、資格の系列が受講資格に関わってくるかもしれません。
ご注意ください。
なお、「別に資格はいらない」という人に向けて、資格取得コースに参加しながら資格申請だけしない選択肢もあります(申請費用が減額される)。
ただし資格を目的としない場合であっても、『資格取得コース(プラクティショナーコース)』なのか、それ以外のセミナーなのかはご注意ください。
例えば、NLPを応用したセミナーも色々とあります。
セールスに特化したもの、セラピーと組み合わせたもの、NLPを元にしたコーチング(NLPコーチング)、他の心理学との融合など、狙いは様々です。
関心のある内容を2つ同時にやれて効率的に思える場合には候補の1つでしょうが、NLPの資格コースで期待される成果が得られるかは定かではありません。
NLPの資格取得コースで得られるのはNLPについての“知識”だけではなく、体験的な学びの効果も意図して設計されているものです。
何を求めてNLPをやるのかを踏まえて選択してもらうのをオススメします。
また、資格取得コースの内容を短期間で一気に学べるセミナーなどもあります。
これも知識を求める方には効率的でしょう。
一方で、セミナーに参加して得られる体験学習の効果は減ってしまうことが予測されます。
実習にかけられる時間には限度がありますから。
「まずは体験よりも知りたい」という場合には、オンラインセミナーや動画教材などと合わせて検討するのが良いのではないでしょうか。
NLPの資格取得コース(プラクティショナーコース)であれば、どのセミナーでも、どの資格発行元の系列でも、基礎となる内容は網羅されるはずです。
その意味では「何を学ぶか」については大きな違いはないと言えるでしょう。
ですが「何を“どのくらい”学ぶか」となると、セミナーごとに個性が表れます。
ここがおそらく、あなたの求める成果を最大限に得られるかに直結するはずです。
なぜかというと、この「何を、どのくらい」のところに担当トレーナーの個性が強く反映されるからです。
資格認定の要件として紹介すべき内容は定まっていますが、「どの項目を、どんなやり方で、どれくらいの時間をかけて学んでもらうか?」は定められていません。
一部の内容を重視して、その代わり他のところをサラッと済ませる…ということは普通にあり得るわけです。
さらに重視したいところには関連情報として、認定要件に含まれていない独自の内容を追加することもできます(※NLPでないものでも)。
こうした「どこを重視するか?」は主に、
によって異なるものです。
NLPを『対人支援』に活かす発想のあるトレーナーであれば、実習の大部分は「クライアント役をガイドする」練習になります。
NLPのテクニックを体験するときに、その効果を体感する側(クライアント役)よりも、手順をサポートする側(ガイド役)のほうに重点がおかれる形です。
コーチングやカウンセリングなどと組み合わせて、実際にクライアント役の問題や目標について、NLPを使った支援の練習をしたりもします。
一方、NLPを『ビジネス』に応用する発想がある場合、広告に使える言語パターンや、商談でカギになる深い価値観の見つけ方、セールスのロールプレイ、タイプ分けをベースにした購買意欲の高め方…などを重点的にトレーニングするかもしれません。
あるいは『自分を癒やす』ためにNLPを使う発想があれば、そのセミナーの大部分も参加者の癒やしを目的としたものになりがちです。
悩みの解決、人間関係のわだかまりの解消、心の傷のケアなどを意図して、体験的な実習が多く取り入れられるでしょう。
トレーナーが興味をもっている範囲が「NLPの周辺情報」としてセミナー中に説明されたり、実習として追加されたりします。
NLPの応用範囲は広いですから、どんな他の分野とも関連づけて理解することが可能です。
同じ心の働きを、NLPでも別の分野でも、違う用語で説明していることは良くある話なのです。
(例:NLPの“アンカリング”=心理学の“条件づけ”)
そのためトレーナーが興味を持っている分野で勉強した知識が「これってNLPと同じだ!」と理解されがちです。
そしてセミナー中に「NLPの一例」かのように扱われます。
(※実際にはプログラムとして説明したときにだけNLPになります。)
またセミナーの種類によっては、もっとハッキリと
のような形で、独自色を出す場合も見受けられます。
こうしてトレーナーの興味のある分野が、NLPと関連づけられながら資格取得セミナーに含まれることになるわけです。
NLPのセミナーの開催日数はだいたい同じですから、NLPではない内容が含まれるほど、NLPそのものの基礎となる内容に時間がかけられなくなる点はご注意ください。
このようにして、担当トレーナーの
の組み合わせによって、同じ『NLPプラクティショナーコース』という名前でも、中身には大きな差が出てくるのです。
トレーナー本人が教えたいことを、教えたいようにやれる柔軟性があるのは、NLPの自由さを反映しているとも感じられます。
一方、この自由度のために、自分の想定と違うセミナーを受けることになってしまう人がいるのも実情です。
あなた自身がNLPに期待していることを踏まえて、どんな内容を重点的に学びたいか、考えてみてください。
何を学ぶにしても「誰から」の影響は大きいものです。
学生時代に苦手な先生がいた人も少なくないでしょう。
説明の仕方や授業の進め方が合わなかったり、雰囲気や性格が合わなくて授業まで嫌になってしまったり。
学校では先生が選べないものですから、運だけのせいで学校や勉強が苦手になってしまうのは残念な話です。
その点NLPのセミナーでは、担当トレーナーを基準にセミナーを選ぶことも可能です。
平均すると8日間、期間にして数ヶ月の学びとなりますので、担当トレーナーとの相性は重要ではないでしょうか。
大部分のNLPの資格取得セミナーでは、一人のトレーナーがコース全日程を担当します。
大きな規模のスクールになると複数のトレーナーが在籍していますが、それでも参加したコースの途中でトレーナーが変わるケースは稀です。
参加するコースを担当するトレーナーが誰なのか、ホームページをチェックするとか問い合わせるなどをして確認しておくと良いかもしれません。
全体として強調しておきたいのは「NLPトレーナーは人格者ではない」というところです。
「人の心を扱うプロなんだから人間的にも素晴らしいんだろう」などと期待を膨らませて受講して、残念な思いをする人は少なくありません。
お気持ちはお察しします。
コミュニケーションを学ぶなら、そのトレーナーのコミュニケーションは素晴らしいものであって欲しい。
心理学を学ぶなら、人の心が分かる先生であって欲しい。
経営やマーケティングを学ぶなら、自分の会社が上手くいっている人からがいい…、というのと同じでしょう。
しかしNLPでは事情が少し複雑です。
他の記事でも述べていますが、そもそも順風満帆な人はNLPに興味さえ持ちません。
何かを上手くいかせたい人がNLPをやるのです。
それがNLPのトレーナーともなれば、色々あったはずだろうと想像されます。
プラクティショナーの資格では満足しきれず、マスタープラクティショナー、そしてトレーナーの資格まで取得した人たちです。
そのうえ、NLPを教える形で、今もなおNLPに携わっているのです。
それだけの強い想いを生み出すだけの背景がNLPを始める原点のところにあったのでしょう。
そういう意味では、あまり一般的な人たちではないといえます。
かなり色々な経験をしなければならない境遇にあった可能性があります。
むしろ個性的な人たちだと考えるほうが自然なはずです。
その個性の強さを魅力と捉えるか、受け入れがたいアクの強さと捉えるか、…それはあなたとの相性が大きいでしょう。
ですから、あなたのお知り合いがオススメしていたトレーナーであっても、その個性の強さがあなたと合うかは分かりません。
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