私たちは原則として、どんな人にもNLPは役に立つと考えています。
人のすることの全てを生み出す大元、つまり心の中身を扱うのがNLPなのですから、
応用範囲も対象者も幅広いわけです。
でも、それでは掴みどころがない…。
そうです。
それがNLPの弱点の1つだと思います。
そこで、あなたのNLPへの興味とマッチする『NLPの学び方』が見つかるように、NLP特有の性質について少し具体的に説明します。
NLPそのものは応用範囲が広いですが、
「NLPとは、どのようにやるものか?」は、かなり限定的です。
この性質には向き不向きが出てくる可能性があります。
あなたがNLPに求めることと照らし合わせながら、次の3つのポイントをチェックしてみてください。
そもそもNLPとは、方法論です。
いかにもNLPらしい方法に沿って、内面に向き合いながら作業を進めます。
つまり「やる」ものなのです。
「実践する」と言い換えてもいいでしょう。
実際にNLPの基礎的な資格は「プラクティショナー」という名称です。
プラクティショナーとは「実践者」の意味です。
ここにもNLPが実践するものだという特徴が表れています。
対比として心理学を考えると、心理学の大部分は「知識」で成り立っていると言えます。
実験や調査を行って、心についての性質を「知る」のが主な目的です。
一般に心理学を学ぶとなれば、座学で過去の知見を勉強したり、その知識を実生活に応用したりすることになるでしょう。
知識のポイントは「知っているかどうか」です。
多くを知っているほど納得できる人の性質が増えます。
知っている性質を踏まえて、工夫できることも増えます。
例えば「人がどんな時に頼みごとを受けてくれやすいか?」という条件を数多く知っていれば、それだけ頼みごとをする際に工夫ができます。
頼みごとを聞いてもらえる確率が上がるわけです。
ですから心理学に限らず、知識の学びを活かすときには、どれだけ勉強して知識を増やし、どれだけ理解できることを広げていけるかに焦点が当たるといえます。
それに対してNLPは「実践」です。
知っていればOKというものではありません。
実際のところ、NLPには覚えるべき知識はあまり多くないのです。
基礎的な心のモデルを把握したら、あとはそれを使って現実の個人の心を扱います。
目の前にいる人の心の中身を調べて、それに合わせた対応をします。
相手の気持ちに沿って会話したり、要望に合わせて提案したり、凝り固まった考えを広げたり、感情の癖を修正したり。
セミナーでは、こうした対応を体験的にトレーニングします。
ペアになって相手の内省をサポートすることも、自分が内省して心の中を調べたりすることもあります。
机に座って勉強するタイプの「知識」習得ではなく、心を扱う「実践」を体験的に身につけていくスタイルなのです。
「外から客観的に人の心の性質が分かればいい」という人よりも、
という人に向いているのではないでしょうか。
NLPを実践するためには、まず実践の仕方を学ぶ必要があります。
それさえ分かれば、いつでもどこでも、好きなときに好きなだけ実践できるようになります。
この実践の仕方は、もちろん一人で学ぶことも可能です。
セミナーに参加する場合には、他の参加者と一緒に学ぶことになります。
いずれにしてもNLPを学ぶときの内容は、大部分が「実践の仕方」です。
つまりNLPが開発した「心の扱い方のテクニック」を手順として紹介する形になります。
私たちは「心の仕組み」そのものを捉えられることも重要なNLPの実践だと捉えていますが、世間一般のNLPについての情報は大部分がテクニックの手順だというのが実情のようです。
NLPのセミナーでは、テクニックが1つ取り上げられて、その効果や使いどころの説明、それから手順の説明やデモンストレーション。
その後で、参加者同士での実習といった流れになります。
NLPについての入門書も大部分は手順の説明です。
セミナーの流れをそのまま文字にしたような内容が多いようです。
ビデオ教材なども同様の構成になりがちです。
つまり、セミナーに参加しても、本やビデオで独学しても、どちらでも学べる内容そのものには大差がない、という話です。
重要な違いは「一人で」学ぶか、「一緒に」学ぶか。
一人のほうが気楽で、自分のペースでやれる、というメリットを感じる人もいるようです。
その場合にはセミナーに参加する必要はなさそうです。
ただ、一人で手順書を見ながら実践するのは、意外とハードルが高い面もあります。
まず実際にやる人が少ない。
「ふーん、そういうやり方か」と思うだけで、手順に沿って実践する人が少ないのです。
そして集中しにくい。
手順を確認しながらイメージを使った作業を進めるのは、なかなか複雑なものです。
自分の内面に向き合ううえでの集中力が下がってしまうのです。
また体験の質が低くなりがち。
一人では手順のコツが掴みにくく、順調にできているかの確認もできません。
ですから、
このようなタイプの人であれば、独学でも充分にNLPの効果を実感してもらえるはずです。
一方セミナーの場合には、実習の時間がありますから、自然とNLPの基本テクニックを一通り実践して体験することになります。
体験学習の機会を増やしやすいのがメリットの1つです。
またセミナー中の実習は、参加者同士でペアになって行うことが大半です。
手順をペアの相手にガイドしてもらえますから、自分の内面を探ったりイメージしたりする作業に集中しやすい特徴もあります。
実習のポイントや疑問点をトレーナーに確認できるため、実習の効果が実感しやすいのもセミナーのメリットです。
また他の参加者との交流やセミナー会場での体験の全てが、その場での学びを後押ししてくれます。
他の人から刺激を受けること、記憶が定着しやすくなる効果も挙げられます。
NLPは人の心を扱うものですから、人と関わりながら実践するほうがトレーニング効果が高まるのは言うまでもありません。
一人のメリットよりも大きな意味を「一緒にやる」ことへ見出せる方には、セミナーをオススメします。
繰り返しになりますが、NLPは実践するものです。
知識を得たら終わり、という話ではありません。
そしてNLPの実践は必ずしも、セミナーや書籍で紹介されるNLPのテクニックを使うことだけを意味するのではありません。
NLPのテクニックは全て、NLPが考える基本的な『心のモデル』に沿って作られています。
心の中身についての原則的な見方があるわけです。
この観点で人を見ていくと、人の心の動きや気持ちの変化、言動の理由が捉えられるようになります。
人の気持ちが見えてくるのです。
自分の心の癖や、厄介な考え方、悩みが続く理由、ついやってしまう行動など、世間一般で「無意識」の一言で片づけていることが、心の仕組みとして理解できます。
他人についても同様です。
なぜそんなことを言うのか、なぜ意見がコロコロ変わるのか、なぜ急に不機嫌になるのか、なぜ感情が爆発したのか…。
それらをNLPの観点で説明できるようになるのです。
このように、心について「分かる」ことも、NLPの重要な実践の一側面です。
「分かる」だけで安心できることもあります。
「分かる」から対応しやすくなることもあります。
もし「分かりたい」のだとしたら、NLPについての詳しい説明から学ぶのが良いかもしれません。
多くはありませんが、そうした情報を提供している書籍や動画なども見つけられるはずです。
一方、NLPには方法論としての側面もあります。
むしろこちらが大きいでしょう。
つまり「求める結果を出すために何をしたらいいか?」という話です。
そこには、人生をより良くするためにNLPを使う、という発想があります。
NLPでは心の中身を調べて、それを変える取り組みをします(NLPのテクニックの手順)。
ここで確実に期待できる効果は「本人が変わる」ところです。
行動パターンが変わったり、感情レベルで変化があったり、ネガティブな考えが変わったり。
その結果として、人間関係が上手くいき出したり、目標を達成できたりしますが、こちらは保証できるものではありません(素晴らしい結果報告を聞く機会は多いですが…)。
NLPの方法論は、人生が望ましくなるように「自分を変える」ところにある、という話です。
人の心が「分かる」ようになるだけではないのです。
人が「変わる」ことを趣旨とする部分もあるのです。
NLPのセミナーでは大部分の時間、NLPのテクニックを体験学習してもらう構成となっています。
そのときには自分の悩みごとや、変えたい心の癖を題材に選んで、実際に「自分が変わる」ための取り組みをします。
その結果、自分自身の変化が実感される構成なのです。
セミナーを全日程終える頃には、悩みごとや、問題だと思っていた心の癖が、いくつも解消されているものです。
もちろん悩みの程度や量は個人差がありますから、NLPのセミナー1回で全てが解決するわけではありません。
その一方で、実習の題材として選ぶ悩みごとが見つからなくなっていく人も少なくありません。
NLPのセミナーには「自分が変わる」効果が含まれているということです。
「分かりたい」だけでなく、「変わりたい」人には、セミナーの形での学びが良いのではないでしょうか。
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