NLPって何に役立つの?
⑤ NLPの向き・不向き

NLPには向き・不向きがある


アメリカで誕生したNLPですが、現在では世界中に広まっています。

どの言語であっても、どの文化であっても、誰にでも役立つというのが分かりますよね。
 

当然かもしれません。
NLPが扱っているのは“心”ですから。

心の仕組み』は人類に共通なんでしょうね。

じゃあNLPは本当に「誰にでも」効果的なんでしょうか?

 

誰にでも「効果がある」とは言えます。
ただ「どのぐらい?」については、向き・不向きが出てくるようなんです。

次のポイントに分けて説明しますね。

 

❶困るかどうか

❷内向の感度

❸年齢

❶ 困るかどうか


NLPは基本的に「自分でやる」ものです。
ですから「やる」理由として、『自分が困っているか』ことが必須です
 


 

困っている度合いは関係ありません。

深刻な悩みになっていても、
目標に向けて何とかしたいことでも、
気軽に「もっと〇〇できたらなぁ」ぐらいでも、
“できない”ことに少しでも困ってさえいれば大丈夫です。
 

言い換えると

『変えたいことがあるか?』

ですね。
 

“自分ごと”として困っていないと、「自分のここを変えたい」と思えないんです。
NLPを使う機会がないので、効果も出にくいわけです。
 

「自分が悪いんだ…」と問題を自分に見つける人は、むしろNLP向きと言えそうですね。
 

「何とかしてください!」と助けを求めるよりも、
「何とかしたいんです!」と解決策を探す人のほうが
自分から“やる”分だけ、NLP向きかもしれません。
 

このことは誰かの手助けとしてNLPを使ってあげたいときにも共通します。

相手が“自分ごと”として困っていないとか、自分を変えたいと思っていないときには、NLPを使うこともできないはずです。

「NLPのテクニックでこういうのがあるんだけど、やってみる?」
「いや、いい。やらない。」

…そんな話は少なくないんですよ。

 


 

❷ 内向の感度


ちょっと専門用語ですが、NLPや心理学では『内向(ないこう)/外向(がいこう)』といった区別をします。

『外向』は身体の外(周り)で起きていることに注意が向くことをいいます。

『内向』は反対に、身体や頭の内側に注意が向くことです。


“内側”というのは例えば、自分の感情とか、
身体の感覚とか、考えとか、イメージとかのことです。
他人に注意を払う代わりに、自分一人の時間になっている感じ。
 

それで、NLPはテクニックの性質として、内向の作業が求められるんです。

イメージしたり、内省したり、身体の感覚を扱ったり。
そうやって“心の癖”を見つけて、修正するわけです。

なので『内向』の状態に慣れているほうがNLPをやりやすい傾向があります。
 

逆に『内向』が不慣れになっている場合というのは、
 

  • 理性的で言葉のコミュニケーションが得意
  • 感情を抑え込める
  • 身体の感覚を無視して頑張り続けられる
     

など、
『外向』を優先して、自分の内側を感じないように長いこと頑張ってきた人に見られがちです。

一般的には「社会性が高くて、ちゃんとしていて、何でも対応できてしまう人」のような印象でしょうか。
 

普段から困ることが少ないので、そもそもNLPを必要と感じないかもしれませんけどね…。
いざやろうとすると『内向』の作業内容に戸惑うことがあるみたいです。

 

ちなみに、『内向』の感度が高いほうがNLP向きなんですが、その感度の繊細さから人間関係で苦しみやすい傾向もあるんですね。

よくあることなんですよ。
強みが空回りするって。

苦しみやすい人は、その繊細な感性をNLPで強みに変えられるわけですね。

 


 

❸ 年齢


別にNLPのセミナー受講に年齢制限があるわけではありません。
(※知り合いでは88歳の方もいます)

それでも小・中学生からNLPをやるかと考えると…、うーん。
私たちは少し慎重になりますね。
 

というのもNLPの性質を考えると、“発達”の影響は無視できないからなんです。

NLPの専門用語を避けながら簡単に説明しますが、NLPをやるうえで関わってくる「大人と子供の違い」です。

 

自分らしさ


NLPをやれば「どのようにでも自分を変えられる」わけですが、子供のころにはそもそも“変える元になる自分”がハッキリしていません。

NLPは心を「修正する」のが得意ですから、一度まず自分の心が「できあがる」までの年齢になって、それから問題のあるところを修正していくのが基本方針です。

 


 

客観性


“心の癖”のなかには、思い込み、決めつけ、一面的な見方など、「ものの考え方」が含まれます。
NLPでは『視点』を変えることで、考え方を修正します。
 

『視点』を変える能力は、年齢が高まってから身につくとされます。

中学生であれば能力的には充分でしょうけど、経験不足かもしれません。
考えを深めるためには、考える素材として経験が求められますから。

幅広く自分を振り返れるだけの客観性と経験が備わっているほうが、NLPを無難にやれるはずです。
 


 

自制心


NLPのメインの効果は、“心の癖”を修正して、自分を制約から解き放つ形で表れます。

過去に身につけた不要な制約の中には、社会に適応するためには必要だったものもあります。
その意味を改めて理解して、自ら律して行動をコントロールできれば、社会生活においても問題は出ません。
 

それには充分な『自制心』を身につけているのが欠かせないんです。
そうでなければ衝動的に何かをやらかしてしまうかもしれませんから。
 

残念ながらNLPのテクニックには、『自制心』を一気に高めるようなものは見当たりません。

『自制心』を地道に身につけてからNLPをやったほうが安全だという話です。

私たちが見てきた方々を思い出すと、

子供の頃に大変な目にあった人がNLPをやって、過去の苦しみを財産に変えて活躍する

といったケースも多かったものです。

NLPは若いときに始めたから良いとは言えないのかもしれませんね。


<関連記事> ⑥NLPで変えられるもの|NLPって何に役立つの?